25日に行われた東京マラソンで2時間6分11秒の日本新記録を樹立した設楽悠太(26=ホンダ)が26日、都内で日本実業団陸上連合から報奨金1億円の目録を授与された。破格のボーナスに「表情にはあまり出さないですけれど、心の中では半端ないくらいうれしい」と笑った。

 同連合は15年に20年東京オリンピック(五輪)への強化策として好記録を出した選手への報奨金支給を決定。4月17日に行われる実業団オブザイヤーで正式に表彰され、その後銀行口座に振り込まれる。「応援に来てくれた友人においしいご飯をごちそうしたい。両親には何が欲しいか聞いてみたい」と話した。

 25日のレースで10キロ付近から右ふくらはぎの痛みに襲われていたことも明かした。「検査しないとはっきり分からないけれど肉ってる(肉離れしている)と思う」。踏み込むとズキズキ痛む中、耐えながら走った。「本当によくこの足が頑張ってくれた」と自分の足をねぎらった。

 4月までは休養に充てて5月にトラックの大会で復帰する予定。世界屈指の高速レースで知られる9月のベルリン・マラソンに、昨年に続いて出場する青写真を描く。「もう1度世界のトップ選手と走りたい」。日本新は世界記録からまだ3分14秒遅く、東京マラソンも優勝争いはしていない。「記録もまだ1、2分は伸びる。2年後には2時間4、5分を目標にしたい」と意欲的だった。【戸田月菜】