自己記録10秒00を誇る山県亮太(26=セイコー)が追い風0・1メートルの条件下、10秒21を記録して優勝を果たした。

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山県は、例年通りここから状態が上がってくるだろう。冬季練習で体を大きくして筋肥大が終わって、そこから専門的に体を仕上げていく。今は体の土台が先にできている状態だ。昨年も春先はしっくりこないといっていたが、8月のアジア大会はしっかり結果を出した。その流れを持っているから、6月にはしっかり走れるだろう。これまで不安がある時は表情に落ち着きがない時があったが、今はどっしりと構えている。

山県の9秒台突入については誰もが認めるところであとタイミングだけになっている。問題はその先にどれだけいくか。日本記録9秒98に対して、どれぐらい先にいけるかが楽しみだ。

オリンピック(五輪)前年の今シーズンは何かをチャレンジする、というよりも、これまで培ってきたものを完成形に持って行く年だ。山県は昨年、国内外問わずにしっかりとタイムも出たし、勝負もできた。いい流れを感じる。あとは6月の日本選手権。これをしっかりとれれば、海外レースにも回っていけるだろう。(男子100メートル前日本記録保持者)