怪物スピードランナーが、マラソンでも輝く-。佐藤悠基(33=日清食品グループ)が29日、福岡市内であった福岡国際マラソン(12月1日)の会見に出席した。「2時間5分49秒にしっかりとチャレンジをしていきたい」。残り1枠の20年東京五輪のマラソン代表に逆転で入るため、最低限必要な日本新記録の更新にターゲットを定めた。

マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)は期待されながら、調整不足もあって23位。しかし「後半は全然走れなかった」こともあり、レースのダメージは少なかった。休みは「3日間」で、練習を再開し、次へ気持ちを切り替える。今大会への準備期間は約2カ月と短かったが、「そこ(2時間5分49秒)を意識したトレーニングはできている。MGCの時よりも状態はいい」と話した。

今大会はペースメーカーが、日本記録更新を目指せる1キロ2分58秒前後ペースで30キロまで先導するという。海外勢も自己記録2時間5分26秒のエルマハジューブ・ダザ(モロッコ)らがそろい、レースはハイペースになりそう。佐藤は「2分58秒のペースを少しでも維持をしたい。どこまで行けるかチャレンジだと思う」。先頭集団で攻める構えを示す。ペースメーカーにはハーフマラソンで58分42秒の自己記録を持つビダン・カロキ(横浜Dena)らが名を連ねる。

学生時代から記録を破り続けてきた。3000メートル中学新記録、1万メートル高校記録、箱根駅伝3年連続区間新記録、日本選手権1万メートル4連覇、1万メートルで12年ロンドン五輪にも出場した。マラソンの自己記録は2時間8分58秒。3日前に33歳になった佐藤は「ベテランと言われるようになったが、これからが旬。まだまだやれることを証明していきたい」。マラソンでも金字塔を打ち立てる。

◆東京五輪マラソン代表への道 MGCで優勝した中村、2位の服部は代表決定。残り1人。福岡国際、東京、びわ湖毎日の3大会で、日本新記録となる2時間5分49秒以内が条件。その中の最速選手が最後の1人に。該当者がいない場合は、MGC3位だった大迫が代表となる。