集大成の覚悟で挑んでいた福士加代子(37=ワコール)は途中棄権した。中間点を前に先頭集団からこぼれた。25キロすぎに、ペースダウンし、しばらくスローペースで走った後、リタイアした。レース後、3月の名古屋ウィメンズでオリンピック(五輪)切符に再挑戦する意向を示した。

スタート時は気温約10度。少し日差しはある中、5キロを通過した16分36秒。10キロ通過も33分07秒と超ハイペースだった。福士は冷静に先頭集団の後方に付けた。無駄な力は使わず、後半に備えた。12キロ付近では、先頭集団のペースメーカーの役目を終えた新谷仁美(31=積水化学)に激励の声をかけられた。

15キロも49分43秒と2時間20分を切るペースだった。だが、ハイペースなのは明らか。20キロ手前から顔が一気に険しくなった。必死で腕を前に進めるが、先頭集団の背中は少しずつ遠くなっていった。中間点は1時間10分4秒の通過。もう後半の力はない。完全に単独走になった。巻き返す力は残っていなかった。

6度目の大阪国際マラソンには「陸上競技人生をかけて、明後日のレースを走りたい。これからの自分の人生につながるような走りにしたい」。そう集大成の決意で挑んでいた。昨年9月のマラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)は7位に沈んでいた。