松田瑞生(24=ダイハツ)が日本歴代6位となる2時間21分47秒で2年ぶり2度目の優勝。日本陸連が定める派遣設定記録2時間22分22秒を突破し、残り1枠だった東京オリンピック(五輪)代表の最有力候補となった。

松田の足元を支えたのは「匠(たくみ)の技」だった。高橋尚子、野口みずきらも担当した三村仁司氏(71)が手がけたニューバランス製の「非厚底」シューズ。松田の直前の要請に応じ、ソールを新たにつくって調整。レース当日、三村氏は履き心地を尋ねた。「悪くないです」「それなら今日はそれで行け」。話題を集めるナイキ製厚底シューズは市販品しかない。三村氏は「彼女は外反母趾(ぼし)なので、既製品は無理」という。この日もレース前に松田の足首をテーピング。「足が柔らかく感じ、2枚ずつ巻いた」。通常は1枚だが、微妙な変化を察知して最適なサポートを施した。