ペースメーカーの川内優輝(33=あいおいニッセイ同和損保)と岩田勇治(34=三菱重工)は、予定の距離を過ぎても先導を続け、一山麻緒(23=ワコール)の2時間21分11秒の大会記録をアシストした。

予定では40キロまでだった。その地点を迎えた。ペースメークはそこで終了のはず…。ただ、そのまま2人は、一山の前で走り続けた。少しでもいい記録で出るように、ペースメーカーとして、一山が少しでも走りやすいよう、適切なペースを刻み、そして風避けになった。

結局、ゴールのヤンマースタジアム長居に入る直前まで、一山を引っ張った。結果的には、予定より1・8キロほど長い距離を先導する形。ルール上も、何も問題はなく、記録を狙うレースならではの光景となった。

ペースメーカーとして、中盤まで機械のように正確にラップを刻み、日本記録を目指していた一山をアシストしていた。一山のペースが落ちると、設定タイムよりも下げて、臨機応変に対応した。「行けるよ」「頑張れ」などと、言葉をかけ続け、一山を励ましていた。

今大会は新型コロナウイルスの感染防止のため、大阪市の長居公園内を約15周し、ヤンマースタジアム長居にゴールするコースに変更された。従来はヤンマースタジアム長居が発着点で、市内を巡るコース。しかし、沿道の密を防ぎ、ボランティアの人数の削減を図るため、公園内に限定する形での開催に至った。