女子1万メートルで日本歴代2位の記録を持つ、拓大のスーパー1年生、不破聖衣来(せいら、18)は群馬からエントリーし、4区(4キロ)で起用され、12分29秒の区間新記録だった。

【都道府県対抗女子駅伝】京都が優勝 群馬・不破聖衣来は13人抜き/詳細>

22位でタスキを受け取ると前を走る走者を続々と抜いていく。中間点で6分10秒のハイペース。中継所手前でもギアを上げて13人をごぼう抜きの快走を見せた。

「前にいる選手をひたすら追いかけて、こういう記録を出せてうれしい。少しでも前で渡したかった。今年は世界選手権に出場できるよう頑張っていきたい」

昨秋以降、駅伝とトラックで大ブレークし「陸上界のフワちゃん」の異名をとった。10月31日の全日本大学女子駅伝で5区(9・2キロ)を28分00秒の区間新で快走し、6人抜きを演じた。11月14日の東日本女子駅伝では9区(10キロ)を31分29秒の区間賞。38秒差の3位から群馬を逆転優勝に導いた。154センチと小柄だが力強いストライドとブレがない上半身と下半身の連動が光る。12月11日の記録会で1万メートルを日本歴代2位の30分45秒21で走り、今年夏の世界選手権(米オレゴン州ユージン)の参加標準記録(31分25秒00)も悠々、クリア。12月30日の全日本大学女子選抜駅伝では5区(10・5キロ)で、10人をごぼう抜きの32分23秒の区間新。陸上界のニューヒロインとして、脚光を集める存在だ。24年パリ五輪の1万メートル代表をターゲットにする韋駄天(いだてん)が、冬の京都で躍動した。