男子20キロ競歩は日本勢がワンツーフィニッシュした。前回19年ドーハ大会金メダリストの山西利和(愛知製鋼)が1時間19分7秒で連覇を達成した。今大会の日本勢第1号となるメダルとなった。世界選手権2大会連続優勝は男女を通じて日本勢初。2大会連続メダルは、個人種目では2001年に銀、03年に銅を獲得した男子ハンマー投げの室伏広治以来となった。

東京オリンピック(五輪)銀メダルの池田向希(旭化成)が1時間19分14秒で銀メダルを獲得した。

スタートから山西が飛びだした。3キロすぎに追いついてきた集団に吸収されたが、その後も先頭で集団を引っ張った。10キロ、14キロ、17キロとスパートをかけて集団に揺さぶりをかけて、ライバルたちを振り落としていった。

「自分のよさを出すために前半から速いペースに持ち込んで、みんなが消耗した状態でラストを迎えるというのが、自分のパターンなのでそこを狙って、速く入ったり、途中ゆさぶりをかけたりしていました」

最後まで食らい付いてきたのが池田だった。17キロすぎから山西と池田の2人のデッドヒートになったが、残り1キロをすぎて山西がスパート。池田との差を一気に広げてゴールした。

「暑くて、ライバルたちもタフでなかなか離れてくれずに、どうしようかと思った。最後は薄氷の勝利でした。(池田は)東京オリンピックで負けた選手なので、何とかリベンジしたいという気持ちで戦っていました」

京大出身のアスリートとしても注目を集めた山西は、昨夏の東京オリンピック(五輪)では優勝候補の最右翼として期待を集めたが、終盤に失速して銅メダルに終わった。フォームの微調整や、指導者付きのメンタルトレーニングなどを導入して、変化を加えた。

来年は再び世界選手権、24年はパリ五輪と大きな大会が続く。

「1つ1つの国際大会で勝ちきることをターゲットにしていきたい」

パリ五輪への再出発となる大会で、さっそく結果を残した。

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