川野将虎(旭化成)が2時間23分15秒をマークし、新種目で銀メダルを獲得した。

50キロ競歩を引き継ぐ形で生まれた同種目。19年ドーハ大会では鈴木雄介が金メダルを獲得していた。日本勢は今大会4個目のメダルとなった。

レース後は「銀メダルは光栄なこと。今まで東京五輪、世界チーム競歩選手権で取れなかったのでうれしい」と爽やかな笑顔を見せた。

序盤は松永大介(富士通)の“独歩”が際立った。スタートから抜け出し、10キロ過ぎには2位集団に1分以上の差をつけた。徐々にペースが落ち、15キロ通過時点で約10秒縮められて52秒差、20キロで7秒差。給水所過ぎ、21キロ手前で先頭を譲った。

主役の座を虎視眈々(たんたん)と狙っていたのが、2位集団にいた川野だった。マッシモ・スタノ(イタリア)らとの1位争い。残り5キロで川野含めて先頭4人で引っ張る。

33キロで金メダルはスタノと2人に絞られる様相。険しい顔で川野はついていく。ラストスパートで徐々に差が開いたが、大健闘の銀メダルだった。

「勝負はラスト10キロ以降と言われていたので、前半は力を残すことをテーマにやっていた。スタミナ練習もスピード練習も十分にしていた」と準備は万端だった。

スタノは東京五輪の男子20キロ競歩で、同僚の池田向希(旭化成)との一騎打ちを制した金メダリスト。「スタノ選手に勝つことで池田を勇気づけられる歩きをしたかったが、スタノ選手が一枚上手だった。銀メダルの結果に満足せずに(23年世界選手権)ブダペスト大会、(24年)パリ五輪に向けて準備していきたい」と意気込んだ。