“花の2区”に当日メンバー変更された中大の吉居大和(3年)は、各校のエースが集う23・1キロで快走し、トップでタスキを渡した。1時間6分22秒の区間賞を獲得した。

藤原正和監督が2区で区間賞を獲得した03年以来、20年ぶりに首位で3区に入った。

吉居大は、4位でタスキを受けると、上位3チームを抜いて先頭に立った。しかし、12キロ地点で駒澤大のエース・田澤廉(4年)に抜かれる。ぐんぐんと差を広げられた。

さらに14キロ過ぎでは、青山学院大・近藤幸太郎(4年)にも追い抜かれた。険しい表情を浮かべたが、ここから脅威の粘りを見せる。

19キロ地点で近藤に並ぶと、残り100メートルでラストスパートをかけ、先頭をひた走っていた田澤をとらえた。トップでタスキを渡すと、笑顔で右手を突き上げ、近藤と抱擁を交わした。

レース直後には「苦しくて、最後にペースを上げられないと思いましたが、一緒に頑張ってきた仲間が待ってくれるというのがあり、最後は思いきりいけました」とすがすがしい表情を浮かべた。

日本テレビ系で解説を務めた瀬古利彦氏から、戸塚中継所までの登り坂の感想をたずねられると、「皆さんが言うように、壁に感じた」と返答。その上で「しっかり対策をしてきたのでよかったです」と充実感をにじませた。

今大会は4区で弟駿恭(1年)も出走する。大会前には「お互いにいい走りをして、チーム目標を達成できるように頑張りたい」と意気込んでいた。

10月の出雲駅伝で1区区間賞をマーク。さらに11月の全日本大学駅伝は帯状疱疹(ほうしん)で欠場濃厚だったが、試合前日に出場を直訴。6区の区間新を樹立していた。

吉居大は新たな「学生最強」へ、エースが集う花の2区でも近藤に1秒差で競り勝ち、2年連続の区間賞を獲得した。

◆吉居大和(よしい・やまと)2002年(平14)2月14日生まれ、愛知県田原市出身。田原東部中、仙台育英高を経て20年に中大法学部入学。自己ベストは5000メートルが13分25秒87、1万メートルが28分3秒90、ハーフマラソンが1時間1分47秒。21年は箱根駅伝で3区区間15位、全日本大学駅伝で1区区間2位(区間新)。22年は箱根駅伝で1区区間賞(区間新)、出雲駅伝で1区区間賞、全日本大学駅伝で6区区間賞(区間新)。168センチ、49キロ。血液型B。

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