早大のエース井川龍人(4年)が、3区(21・4キロ、戸塚~平塚)で9人抜きの快走をみせた。

14位でタスキを受け取って走り始めた。じりじり順位を上げると、12キロ過ぎからの海沿いの道で、さらに前を追った。最後のスパートでも勢いをみせて、1時間1分58秒でフィニッシュ。区間2位で走り抜き、2分11秒差の5位まで順位を押し上げた。

顔に装着したのは、今大会から使用が許可されたサングラス。大のサッカー好きは、今大会のために愛するアーセナルのチームカラーを彩った特注品で、気分も上々だった。

前回は1区16位。13位でシード権を失う一因を作った。今夏の夏合宿、視察にきたOB・OG会「早稲田アスレチック倶楽部」の会長の瀬古利彦さんから、ハッパをかけられた。30キロ走で先頭集団から遅れる姿に、「お前がしっかりしなきゃだめだ」と全体ミーティングで名指しで言われた。

「やらないとな。見返したい」。普段は感情をあまり表に出さない男は、心の中で誓った。そこから、よりチームをけん引していく自覚も芽生えた。予選会、全日本大学駅伝と結果を残した。12月、練習を見守った瀬古さんには「絞れてきたな・良い動きしてるよ」と褒められた。

「うれしいですね。もっと褒められるように、箱根で解説すると言っていたんで、頑張りたいと思います」。最後の箱根。偉大なOBも褒めるに違いない、名門を救う快走となった。

【箱根駅伝 往路ライブ速報】はこちら>>