10位以内に与えられる来年のシード権争いは、今年も白熱の展開となった。一時は18年連続の獲得に黄信号とみられた強豪・東洋大は10位に滑り込み確保した。

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強豪・東洋大が、苦しみながらも18年連続となるシード権を死守した。酒井監督は「苦しい2日間でした」と言った。2日の往路1区で17位と出遅れ、2区でさらに順位を落として19位に。同監督は「最後方に近い景色。2度と味わいたくないと思った」と振り返った。

前日は5区で主将の前田が11位まで押し戻した。しかし、一夜明け復路でもなかなかリズムに乗れなかった。一時は10位から2分近くも離されたが、8区の木本が区間賞の快走。悪い流れを断ち切った。

木本は、左腕に「その1秒をけずりだせ」のチームスローガン、右腕に「恩返し」の言葉を同じ4年生の長尾大輝マネジャーに書いてもらって疾走した。「東洋らしい、前を追う攻めの走りを、と思っていた」と木本。大学入学後に「疲労骨折を8回ぐらいした」(酒井監督)という苦労人の活躍で、シード圏内10位の33秒差の11位まで持ち直した。

勢いそのままに、9区で梅崎がさらに順位を上げ9位と浮上。最終10区の清野が踏ん張り、何とか総合10位に食い込んだ。

エースの松山和希はけがでエントリーメンバーから外れ、熊崎貴哉と九嶋恵舜(いずれも3年)は調子が戻らず欠場した。酒井監督は「特に、12月に入ってからコロナやインフルエンザの感染者が出たり、疲労骨折も出たりと難儀した。チグハグしたオーダーになってしまった」と話したが、ギリギリで滑り込み、最悪の事態は免れた。【奥岡幹浩】

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