日本記録保持者のマッカーサー・ジョイ(23=NMFA)が1投目で63メートル31をマークし、初優勝を飾った。

昨年2月に世界陸連から日本国籍での出場を認められ、今回が初めての日本選手権。満面の笑みを浮かべ「やっぱりうれしい。今シーズンはこの大会に向けて練習してきたので。みんな優しいし、天気もほんとに良かったので、また日本でたくさん大会がしたい」と流ちょうな日本語でかみしめた。

マッカーサーは、今年4月、米ロサンゼルスで行われた競技会で69メートル89を記録。室伏由佳が04年にマークした67メートル77を大きく上回り、日本新記録を樹立した。

アメリカ人の父と日本人の母のもと、米国で生まれた。生後5カ月で愛知県に移り住み、8歳で米ロサンゼルスへ。バスケットボールやテニスをしていたが、高校1年から陸上を始めた。全米ジュニア選手権優勝や米国代表でU20世界選手権出場を果たした。

現在も米国を拠点に競技を継続。コーチが同種目で日本選手権10連覇を達成した室伏重信さんのファンで、マッカーサーは実子の広治氏のビデオなども参考にしている。ただ、「私なりの投げっぷりを探しています」とし、自身は「スピードとテクニック」のタイプと分析した。

今回は14年以来の帰国となり「子どもの時の思い出も全てこっち。食べ物、人、きれいな景色が好き」と日本を満喫。好きな食べ物は「焼き肉、肉まん、551も食べちゃった」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

今年8月の世界選手権(ブダペスト)や24年パリオリンピック(五輪)など、国際大会での活躍を目指す。「日本代表になって、日本のすごさを見せたい」と意気込み「まずは70メートルを超えないと」と引き締まった表情で誓った。