日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は15日、創価大陸上競技部駅伝部のリーキー・カミナ(3年)のアンチ・ドーピング規則違反を公表した。
日本学生陸上競技連合は同日、23年10月9日の出雲駅伝の創価大の総合成績と個人成績が失効となり、3位以降のチームの順位および、各区間の区間順位を繰り上げると発表。優勝した駒大に次ぎ、同大は過去最高の2位に入っていたが、城西大が2位、国学院大が3位、青山学院大が4位に繰り上がる。なお、カミナは23年11月5日の全日本大学駅伝、24年1月2、3日の箱根駅伝に出場していないため、この2大会での成績の変動はない。
創価大は同日、報道陣用の文書を発表。「日頃より本学陸上競技部駅伝部を応援してくださる方々、また、大会関係者および駅伝競技に関わるすべての方々、アンチ・ドーピング活動を推進されている関係者の方々に、多大なご迷惑とご心配をおかけすることになり、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
同大の発表によれば、カミナは23年9月16日の日本学生陸上競技選手権(日本インカレ)でドーピング検査を受験した。その後、同10月12日にJADAより検体から禁止物質(ナンドロロン)が検出。アンチ・ドーピング規則違反に該当する可能性があることから、同日より暫定的資格停止が課せられる旨の通知があったという。なお、同9日の出雲駅伝には通知前であったことから出場しており、3区区間2位となっていた。
同大はカミナへの確認を進めたところ、昨年7月21日~9月5日の間に強化練習のため母国のケニアに帰国した際、滞在期間中に強い倦怠(けんたい)感の症状が現れたため、友人に薬の購入を依頼。薬局で販売されていた市販の薬20錠を紙に包まれた状態で受け取ったという。薬品名や成分を確認しないまま、「Decabolin」と思われる薬を10日間にわたって1日2回服用していた。同大では薬の服用時には必ず成分を確認するよう指導していたが、ケニアに滞在していることもあり、日本スタッフに相談しないまま、服用に至ったという。
このような事実確認を行った上で、JADAの手続きに従って弁明書を提出。その後、23年12月11日に規則違反手続きを開始する旨の通知を受け、カミナと協議を重ねた結果、禁止物質の摂取は意図的ではないものの、医療機関などで受診しておらず、処方箋などの客観的証拠を集めることは難しいと判断し、日本アンチ・ドーピング規律パネルによる聴聞会の開催は要求しないことを決定。箱根駅伝まで約1週間となった同27日にカミナより「アンチ・ドーピング規則違反の自認と措置の受諾」をJADAに提出した。
24年1月15日、JADAより「同意に基づく決定書」が届き、「2023年10月12日から2026年10月12日までの3年の資格停止」と「2023年9月16日【検体採取日】から、2023年10月12日【暫定的資格停止期間の開始日】までに獲得した個人成績の失効」等の措置が課された。今日15日にJADAより同決定書が公表され、規則違反および資格停止等の措置が確定した。現在、カミナは駅伝部で練習ができないため、ケニアに帰国中だという。
駅伝部の榎木和貴監督は、同大の発表資料を通じ「日本学生陸上競技対校選手権大会、出雲全日本大学選抜駅伝競走の大会関係者、大学駅伝をはじめとした大学スポーツ競技界に多大なご迷惑をおかけすることとなり、関係者の皆様に残念な思いをさせてしまったことを大変申し訳なく感じております。禁止物質摂取の原因は先述のとおりですが、帰国中だったとはいえ、薬の成分を十分に注意することについて、指導・監督が行き届かなかったことをお詫び申し上げます」と謝罪。「今回のことでは、本選手も大きなショックと責任を感じており、深く反省しております。本学陸上競技部駅伝部は、皆様の信頼を取り戻せるよう、再発防止策をチームとして徹底するとともに、一層の競技力の向上に取り組み、努力を重ねてまいります」とコメントした。
同大では今後、アンチ・ドーピングに関する知識や服用時のルールを確認する講習会を年2回実施するほか、外国人選手が母国に帰国中の際などでも事前に監督やコーチに薬の成分表を送るなどを徹底し、再発防止に努めるという。

