平林清澄(きよと、21=国学院大3年)が2時間6分18秒をマークし、初マラソン初優勝を果たした。従来の初マラソン日本最高記録は、23年の同大会で西山和弥がマークした2時間6分45秒だった。

国学院大はスポーツメーカーのアディダス社とパートナーシップ契約を結んでおり、平林も同社のシューズを愛用。この日は22年12月発売の「アディゼロタクミセン9(Adizero Takumi Sen 9)」を履いた。レース後に「ロードの駅伝もハーフもマラソンも同じシューズを履いている。大きく動きは変わらず、いつも通り走った」と打ち明けた。

昨年11月には、シューズ選びにおいて自身の足の感覚を重視していると説明。「タクミセン9は自分が求めているちょうど良い厚さ。僕は足の感覚を大事にしているので、接地する時の地面をつかむ感覚や走る時に反発に頼りすぎずに使っているところが気に入っています。足首も柔らかいので、安定性を意識して選んでいます」と明かしていた。

シューズの軽さにも重きを置いている。アディダス社の公式ページによれば、昨年12月発売の新作「アディゼロタクミセン10(ADIZERO TAKUMI SEN 10)」は197グラムであるのに対し、平林愛用のアディゼロタクミセン9は180グラム(ともに27センチ片足重量)となっている。

「僕は靴の軽さと自分の足の感覚を大事にした走りをしているので、それを意識して選んでいます。タクミセン9は自分が思った通りに動いてくれる。苦しい時やラストでも力を発揮してくれるシューズです」

この日も上り坂に差しかかる31キロ付近からギアを上げ、残り10キロで先頭へ。苦しい終盤で踏ん張り、スティーブン・キッサ(ウガンダ)に4秒差で競り勝った。日々の練習はもちろん、自身の適性を踏まえたシューズ選びも、快挙達成を後押しした。【藤塚大輔】