陸上の今夏パリオリンピック(五輪)マラソン男子代表に内定していた大迫傑(32=ナイキ)が、出場を明言した。4日、自身のYouTubeチャンネルを更新。これまで参加意思を明確にしていなかったが「出場する予定です」と宣言した。マラソンでは6位入賞した21年東京五輪に続き、2度目の五輪出場となる。

大迫は4月15日のボストンマラソン(米国)への出場もあらためて明言。パリの舞台は、スタートからゴールまでの累積高低差が438メートルと起伏の激しい難コースだが、約4カ月の準備期間で臨むことになる。

3日の東京マラソン後に、日本陸連でマラソン強化に携わる瀬古利彦氏は「ちょっと短いよね」と指摘していた。ボストンマラソンは前半が下り基調で、25キロ過ぎ以降には急激なアップダウンもある。同大会で3戦2勝を誇る瀬古氏も「下りがすごいから、足に残るんですよ。走り切ったら(足に)残るというのは心配だね。状態が戻るまでに1カ月以上はかかっていた」と実体験を振り返っていた。

ただ、大迫は中4カ月でのマラソン出場を経験済み。冬季のケースではあるが、22年11月にニューヨークシティマラソン(米国)に出場後、23年3月の東京マラソンでは自己3番目となる2時間6分13秒をマークした。この日の動画内でも「自分のやり方で強くなる方法を探していきたい」と信念を貫く姿勢を強調。17年の初マラソン以来となるボストンでのレースについて「スタート地点に立つことで新たな気付きがあるのでは」と声を弾ませた。

◆大迫内定までの流れ 23年10月のMGCで2位以内に入れば即内定だったが、1位の小山直城、2位の赤崎暁に先着を許して3位。3枠目については、23年12月3日の福岡国際マラソン、24年2月25日の大阪マラソン、24年3月3日の東京マラソンのいずれかで、設定記録(2時間5分50秒)を突破した上で日本人最上位に入った選手が内定する規定だったが、該当者不在のため、日本陸連の選考方針に基づいて大迫の代表入りが決定した。