男子マラソンの川内優輝(26=埼玉県庁)が、特別待遇で歓待される。明日17日のソウル国際マラソンに出場する川内に「個人ペースメーカー」が付くことが分かった。15日、ソウル市内で招待選手記者会見が開かれ関係者が明かした。

 レースには、2時間4分27秒のキベット(ケニア)ら2時間5~7分台の自己ベストを持つアフリカ勢が多数、出場する。そのため主催者側は、30キロまで走るペースメーカーの設定タイムを2時間6分台にした。

 一方で主催者側は、日本から7社が取材に訪れる反響の高さに着目。また今夏世界陸上モスクワ大会代表の座を確実にしている川内が「レベルの高いソウル国際マラソンで2時間7分台を目指す」と発言したことにも配慮。招待選手中、持ちタイムは13番目だが「注目度も高いですし独自で用意しました」と、ケニア人を「川内専属」の形でペースメーカーに据えた。

 2時間8分15秒の自己ベストに対し、設定タイムは2時間7分30秒。達成されれば日本歴代5位にまで浮上し、02年からマークされていない日本男子6分台も視界に入る。「7分台を出し日本の男子マラソン界がもっと面白くなるように頑張りたい。目標順位は8位入賞」と力を込めた。

 この日付の韓国・東亜日報は「公務員がマラソンの日本代表だ」の見出しで川内を紹介。「トレーニングは出勤前後のジョギング」などと記述している。公務を優先するため、川内は今日ソウル入り。「職務を全うしながらマラソンに挑戦する『文武両道』という自分の精神を、韓国の方々にも見ていただきたい」と話す公務員ランナーに注目だ。