<フィギュアスケート:世界選手権>◇28日◇さいたまスーパーアリーナ

 羽生結弦(19=ANA)が、逆転で初優勝を飾った。SP3位で迎えたフリーで191・35点をたたき出し、合計282・59点をマーク。先にフリー演技を終えていた暫定1位町田を0・33点かわした。

 これでGPファイナル、五輪、世界選手権と今季の3大大会をすべて制し、ヤグディン(ロシア)以来、史上2人目の「3冠」を達成した。

 26日のSP終了後には「ミスをしてしまって3位。ここにいる自分が許せない」と話していたが、SP首位だった町田との約7点差をひっくり返してみせた。

 ソチ五輪のフリーで失敗した冒頭の4回転サルコーを何とかこらえて着氷すると続く4回転トゥーループは鮮やかに決めた。後半まで連続ジャンプを盛り込むなど五輪王者にふさわしい演技で観客を魅了した。

 演技後は両膝をついてリンクに座り込むなど完全燃焼の様子だった。

 羽生は優勝インタビューで「意地です。意地です。意地と気合です」と金メダリストのプライドで大逆転Vをもぎとった。

 2位は町田樹で282・26点、3位はフェルナンデス(スペイン)で275・93点、小塚崇彦238・02点で6位となった。