「WE WIN!」

試合後、ロッカールームに引き上げる選手たちは思い切り勝ちどきを上げた。宇都宮が、リーグ一の攻撃力を誇る名古屋ダイヤモンドドルフィンズ相手に、1点差で勝利した。

 

第4クオーター(Q)残り7秒で79-79。タイムアウト後、比江島慎(32)がドライブインしファウルを獲得。1本目のフリースローは外したが、2本目をきっちり決め、1点差で競り勝った。

 

「1本目を決めていたらもっと楽になった」と苦笑いのエースは「チームとして我慢して我慢して勝ち切れたことは良かった」と話した。連敗を3で止めたばかりか、ホームでは4連敗しており、勝利は昨年11月30日の群馬戦以来、38日ぶりだった。

 

要所で若い力が躍動した。まずは3年目の荒谷裕秀(24)だ。66-69、3点ビハインドで迎えた第4Qのオフィシャルタイムアウト直後、レイアップと3点シュートを立て続けに決め、逆転勝ちへの道筋をつくった。

 

佐々宜央(さっさ・のりお)ヘッドコーチ(38)は「荒谷のおかげで勝ったようなもの」と激賞し、試合後のヒーローインタビューにわざわざ引っ張り出した。荒谷は「あそこはヘッドコーチが自分のやりやすいプレーを選んでくれた」と振り返った。

 

旧年中は負傷などで乗り切れなかった。長かった髪をばっさり切り「あまり考えすぎないようにやろう」と気持ちを切り替えた。6日は佐々HCと面談し、「思い切りよくやればいい」と言われたことも、この日のプレーを後押しした。

 

特別指定選手の高島紳司(22=大東文化大)はディフェンス面で大きく貢献した。名古屋Dは前節まで1試合平均得点89・7、3点シュート成功率は38・6%でともにリーグ1位。いかに3点シュートを抑えるかがカギだったが、高島は激しく献身的な守備で、相手の攻撃に何度もくさびを打った。

 

「抜かれても後ろから追いかけることで相手をあきらめさせることができた。守備でチームにエナジーを与えようと思っている」。佐々HCから「あの脚力とスピードで相手にオープンスペースを与えなかった」とほめられ、相手の3点シュートを5本(成功率20・8%)に抑える立役者になった。

 

シーズン半ばを迎え、反転攻勢に出るには、この日のように若い力の突き上げが必要になる。佐々HCは「若い選手が活躍すればいい流れになる」としたうえで「良いプレーを継続できるかどうか。それがトップ選手になれるかどうかの分かれ目」とさらなる活躍を期待していた。