リングだけでなく、ゴールも揺れた。日本代表候補の明成・八村塁(3年)が32得点を挙げ、東北を下して優勝した。

 第1クオーター残り3分22秒。パスから抜け出すと、あとはたたき込むだけ。「ガツン」という衝撃音が祭りの号砲だった。その後も力強いドライブからインサイドの密集を蹴散らしてダンク。終盤には左手で優しく、両手では豪快に決め、計7本のダンクシュートで観客を沸かせた。「ダンクシュートが一番確実なんです」と派手さの裏に、したたかさをのぞかせた。

 格の違いを見せつけた。今夏の高校総体で優勝。ウインターカップの出場権を得ており、今大会は決勝戦のみのスーパーシードだった。公式戦がなく調整期間が長かったが「練習でジャンプを意識した。毎日高く高く跳ぼうとしたら、ジャンプ力が上がった」と鍛えた脚力をコート上で発揮した。3連覇がかかる全国選抜大会(12月23日開幕、東京)に向け「守備を直していかないと。絶対に優勝したい」と気を引き締めた。【島根純】