白熱した上位争いの裏で昨季のGPシリーズ、カナダ大会3位の永井優香(18=東京・駒場学園高)が24位に終わり涙した。フリー78・17点の合計131・40点。冒頭の3回転ルッツは空中で力抜けし、3回転トーループとの連続に持ち込めなかった。仕切りなおしの3回転ループも転倒するなど苦しみ「始まる前からいろいろ考えすぎた。それで集中できなかった」と肩を落とした。

 最後まで苦しんだシーズンになった。今季もGPシリーズに出場したが、豊かなスピードを生かすジャンプは影を潜めた。報道で目にした「1回転ジャンプから修正」という言葉に首を振り「跳べないから仕方なく1回転になっている状態。精神的なことが大きい」と今の状態を説明した。

 来春の大学進学後も競技は続けるが「まずはちょっと休みたい。『また全日本で活躍する選手になりたい』と思うときが来たら、たくさん頭を使って、何をすべきか考えて戻ってきたい」と語る。少し気持ちを楽にし「今までスケートばかりしてきたので、世の中のことを知らない。スケート以外のことも勉強したい」と大学で視野を広げる考えだ。

 演技終了後に見せた涙の理由は「分からない」。内容に納得はできないが「全日本まで諦めずにできた。そこは自分を評価したい」と静かに語った。表彰台に立った宮原、樋口、三原ら最終グループが滑る約2時間半前。永井が臨んだ3年連続3度目の全日本選手権が幕を下ろした。