浜松工(静岡)が今日30日、全国高校ラグビー(大阪・花園ラグビー場)2回戦でAシードの東福岡(福岡)と対戦する。29日は奈良市内のグラウンドで練習。1回戦の米子工(鳥取)戦では不発に終わった「フルモーションラグビー」で優勝候補から大金星を狙う。

 東福岡戦まで25時間前の午前8時30分、選手たちが動き始めた。前夜に話し合った内容を思い出しながら、丁寧に素早くボールをつないだ。全員が高い集中力を維持し、SH小笠原一太(3年)は「初戦は今までにないくらいに悪い内容でしたが、それでスイッチが入った。勝って周囲を驚かせたいです」と話した。

 チームが掲げる「フルモーションラグビー」は、2年前に吉本監督が就任時から続けている戦術だ。15人全員がフルに動き、ボールをつないでトライを目指す。コーチ時代に見たアメリカンフットボールの試合をヒントにして作り上げた。吉本監督は「相手FWは100キロ以上が4人もいるため、(ラックから)近場の勝負よりも回した方が戦えると思います」と話した。

 東福岡は今年、全国選抜大会とアシックス杯(7人制ラグビー)の2冠を手にし、高校日本代表候補が11人もいる。「ミスをしたら失点する。危機感を持って臨みたい。粘り強く戦い、チャンスに決めたいです」とSO小池悠太(3年)。選手は年の瀬に、ビッグサプライズを起こす決意だ。【大野祥一】