“広島の姿三四郎”の教え子が負けた。64年東京五輪柔道男子軽量級(68キロ以下)金メダルの中谷雄英氏(たけひで、75)が指導する母校の古賀早也香(広島・広陵1年)がグランプリ・デュッセルドルフ大会3位の素根輝(あきら、福岡・南筑1年)に敗れた。

 果敢に攻めるが組めない。開始2分22秒、袖釣り込み腰で一本負けした。5回目の対戦となった古賀は「完全に力負けで、迫力や体格の差を感じた。体重と筋力を増やさないといけない。夏のインターハイに向けて、次こそリベンジしたい」と闘志を燃やした。

 この日は、中谷氏も日本武道館に訪れ、広陵の選手らを応援した。古賀は「先生に来てもらって、優勝できなくて悔しい。先生に金メダルを見せたかったです」と唇をかんだ。

 中谷氏は広島市出身。東京五輪で正式競技に採用された柔道の金メダリスト第1号となった。その後も西ドイツのコーチや国際審判員、全日本柔道連盟理事などを務めた。12年には国内で数少ない赤帯の9段に昇格し、広陵女子柔道部の指導にあたっている。