全国高校ラグビー大会で4度の優勝を誇る伏見工・京都工学院が18日、新拠点の同学院(京都市伏見区)人工芝グラウンドでこけら落としのイベントを行った。

 16年春に伏見工と洛陽工が統合し、京都工学院を開校。今年4月からは伏見工と洛陽工の生徒(3年)が、同学院の校舎を使用している。

 イベントのメインを飾った招待試合の相手は大阪・常翔学園。伏見工は80年度の花園で大工大高(現常翔学園)を決勝で破り、花園初優勝を達成した。長年のライバルとの戦いを見つめ、「泣き虫先生」として知られる山口良治総監督(74)はしみじみと語った。

 「僕が伏見に来た頃、工大と練習試合を組んでもらった。(伏見工の最寄りの)稲荷駅で生徒の人数分の切符を買って、生徒を待っていたんだ。そうしたら、誰ひとり来なかった。仕方なくその中の1枚の切符を使って、1人で工大に謝りに行った。そこから『今日は80点までに抑えよう』『今日は50点までに…』と差を縮めていって、平尾(誠二氏)の時に初めて花園の決勝で勝った。工大が無かったら、伏見の今はないんだよ」

 大工大高は08年に常翔学園へと名称が変更されたが、この日も当時と変わらない濃紺のジャージー。伏見工・京都工学院は伝統の赤のジャージーで迎え撃ち、47-17で勝利した。

 試合後の交流イベントでは伏見工・京都工学院が伝統のハカを披露し、部歌で応えた常翔学園の野上友一監督(59)は「ウチも名前が変わったけれど、アドバイスできるとすれば『何も変わらない』ということ。ジャージー、指導、OB…。名前だけが変わって、他は何も変わらない」とスピーチ。末永いライバル関係を約束した。