競泳で4つの五輪金メダルを獲得した北島康介氏(34)が16日、大阪・門真市の東和薬品ラクタブドームでトレーニングに関するイベントを行った。日本マスターズ水泳選手権が行われた会場内の一室で、一般スイマーと実技を組み込みながら交流。06年からトレーナーとして指導を受けた小泉圭介氏と、陸上トレーニングの大切さを伝えた。

 途中、チューブで両足首を縛っての歩行運動では、実演しながら「むかつく苦しさというか…。何回、チューブを切ってやろうかと思ったか…」とポツリ。場内は笑いに包まれた。泳ぎに必要なおしりの部分を鍛える意図があり「試合で泳ぎながらおしりを意識しようというのは無理。陸上でこういう時に意識して、泳ぎでも自然とできたらいいんです」と説明した。

 隣の小泉氏には「彼には『別にストレッチは嫌いじゃない。ただ、苦手なだけなんだ』という名言があるんです」と現役時代のほろ苦いエピソードを披露されるなど、和やかな雰囲気で約1時間のプログラムが終わった。

 最後には自身が監修し、小泉氏が著者となったこの日発売の「北島康介 トレーニング・クロニクル」(ベースボール・マガジン社、定価1700円=税別)を手に、「立ち読みでもいいので読んでください」と冗談交じりにPR。現役時代の体作りの内容が写真入りで紹介されており「生活習慣病などにも、ヒントが多く詰まっていると思います。『これだったら俺にもできる』『私にもできる』というようなものになっています」と競技者以外のファンにも魅力を発信した。