12年ロンドン五輪、16年リオデジャネイロ五輪男子66キロ級銅メダルの海老沼匡(27=パーク24)が階級を1つ上げた73キロ級で3位だった。

 3位決定戦で込山龍哉(21=東海大)に試合開始3分48秒、一本背負いで一本勝ちした。「負けても良いので攻めて攻めて、攻め続けるという気持ちで臨みました」。汗だくでこう振り返った。

 66キロ級の時は大会1カ月前から減量に励み、約10キロ落とした。減量することで試合感覚を確認していたが、階級を上げたことで減量が約4キロとなり「試合感がつかめなかった」という。「技をかけ急いでいた。間合いや技の威力も足りていなかった」と話した。

 73キロ級にはリオ五輪金メダルの大野将平(25=旭化成)や今夏の世界選手権覇者の橋本壮市(26=パーク24)らがいる。今大会優勝した立川新(19=東海大)も急成長を遂げ、20年東京五輪の代表権争いは激戦が予想される。「この大会で金を獲得してやっとスタートラインで『五輪目指します』と言いたかったけど、実力、気持ち含めてまだまだです」。

 同じ所属の橋本とは乱取り相手でもある。世界選手権個人戦代表は今大会の出場は免除されているため、橋本はこの日、所属先の付き人として来場した。海老沼は「本当は優勝インタビューで『橋本選手を目指します』と言いったかったんですよ」と後輩のライバルへ冗談を交えて皮肉った。