日本カヌー連盟の成田昌憲会長(70)は9日、都内で鈴木康大選手(32=福島県協会)がスプリント日本選手権(9月、石川県小松市)中に、小松正治選手(25=愛媛県協会)の飲み物に禁止薬物の筋肉増強剤メタンジエノンを混入させ、小松選手がドーピング検査で陽性となっていた件に関し、会見を行った。「(カヌー関係者)外部に対しては謝っても謝りきれない。わびてもわびきれない。何とも寂しい限りです」と頭を下げた。

 16年11月の国際カヌー連盟総会(ICF)では、同会長らを含めて「ドーピングゼロ宣言」をして、徹底してきた。「(自分たちにはないと)自意識的には100%ないと思っていましたし、完全に裏切られましたね」と落胆の表情。「聞いたときはがくぜんとしました。とにかく信じられない。小松の(陽性が出た)時に、まずドーピングでやっちゃったかと。小松が自分でやったんでなくて、仲間の中からやっちゃったやつがまた出ちゃったかと。2度目の大ショックですよ。誠になんとも情けない話」と心境を明かした。

 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は鈴木選手に8年間の資格停止処分を科すとともに、暫定的な資格停止となっていた小松選手の処分を解除した。現在、日本合宿が小松市内で開催されており、小松選手の参加も認められた。