女子レスリングオリンピック(五輪)4連覇の伊調馨(33=ALSOK)を巡るパワハラ問題で、レスリング関係者からの告発状を内閣府の公益認定等委員会に提出した代理人の貞友義典弁護士(65)が3日、日本レスリング協会の対応に疑問を呈した。

 一連の問題を受けて、林文部科学相が2日、日本レスリング協会の倫理委員会が伊調と栄強化本部長の聞き取りを5日以降に行うことを明らかにした。報道で知った貞友氏は書面で「協会は伊調選手のパワハラについて知っていながら黙認していた可能性がある」とし「公正中立な立場でヒアリングを行えるのか極めて疑問。むしろ危険と言わざるを得ない。公正中立な純然たる第三者機関が行うべき」と指摘。既に協会は1日に告発状の内容に関して否定する文書を発表している。また、パワハラ問題の事実確認については告発状の「Aコーチ(田南部力氏)から聞かなければ明らかにならない」とし、協会内での聞き取りであれば「即刻中止」すべきと主張。文末には伊調の練習を気づかい「誤った手続きで時間を浪費してはならない」と記した。告発状に関与した1人も「協会組織が改善されていないのに、内閣府がなぜ聞き取りしないのか分からない」と話した。