秋田ノーザンハピネッツが、ホームで福島ファイヤーボンズを91-74で下し、前日3日に樹立したチームの連勝記録を更新する14連勝を飾った。前半を54-33と福島を圧倒したが、第3クオーター(Q)に反撃を許し一時8点差まで追い上げられた。しかし第4Q後半に再び猛攻を仕掛け、秋田ブースターを熱狂させた。両軍ともに昇格プレーオフを見据えた2連戦を、連勝で終えた。

 主将が福島の息の根を止めた。第4Qの残り1分32秒。田口成浩主将(27)は、右ライン際と角度のない位置から3点シュートを決めた。これで84-71。相手キーマンの武藤修平(26)へ向けてほえ、そして誇らしげに胸をたたいた。ブースターも呼応し、歓喜。田口は「第3Qに福島が勢いに乗っても、勝ち切れたのは良かった」と喜んだ。

 第2Qまでにクリス・カヨール(33)が3点シュートを4本中3本も沈めるなど、21点差をつけ折り返した。2日続けての100点ゲームへ、期待は一気に高まった。だが、ジョゼップ・クラロス・ヘッドコーチ(ペップHC=49)が「気を抜いてしまった」と指摘するように、その後秋田は頻繁に3点シュートを打ち、外し続けた。その隙に福島が反撃を開始し、緊迫したゲーム展開へ突入した。

 集中力を切らさずチームを支えたのは、外国人3選手だった。ペップHCは「盛り上がる中で感情をコントロールし、プロフェッショナルだった」と称賛。中でも、カヨールはチーム最多の17得点。3点シュートだけでなく、第4Qの田口の3点シュート直後、ダンクシュートも披露した。前日にキャリア初という5ファウルで退場したが「今日は相手の特長をうまくつかみながらプレーできた。アウトサイドシュートに頼らず、他のオプションも含めながらできた」と語った。

 指揮官は「プレーオフも同じ状況になる。1ゲーム目を取って、2ゲーム目の前半に勝っていても3、4Qも取らないと昇格までいけない」とB1昇格を見据え、この一戦は教訓になると指摘した。第3Qにあえてタイムアウトを取らず、選手の修正能力を見極めた。「自分たちで修正できたのは良かった」とチームの進化に、満足した様子だった。【秋吉裕介】