新潟アルビレックスBB(中地区3位)がチャンピオンシップ(CS)進出に踏みとどまった。三遠ネオフェニックスを75-55で破り、3連勝。残り4試合でCS進出圏の同2位名古屋Dとのゲーム差3・5にした。SG今村佳太(22)が第1Qで12得点するなど、3点シュート4本を含む合計15得点でチームをけん引した。今日29日の2戦目をものにすれば、名古屋とのゲーム差は3。勢いをつけて、CSへの道を切り開く。

 SG今村がチームを乗せた。「僕はラッキーボーイになる要素がある」。試合前にそう明言していたが、「ラッキー」ではなく安定したショットで新潟を勝利に導き、今季3度目のMVPに輝いた。

 第1Q、4本放った3点シュートは3本成功。第1Qの残り6分31秒ではカットインからリングを捉え、ファウルをもらいフリースローを決めた。「スペースがなかったら自分から空けに行く」。イメージ通りにインとアウトを攻め分けた。

 今村のプレーはチームに火を付けた。前半終了時で42-25と17点のリード。後半も主導権を渡さなかった。3点シュートをチーム合計14本成功させるなど、正確なショットで3515人の観衆を沸かせた。守備ではBリーグになってからチーム最少タイの55失点と三遠を止めた。

 CS進出を争う名古屋Dは午後2時からの試合で横浜を破り、今節を2連勝で終えていた。新潟の試合開始時点でゲーム差は4。負ければCS進出が断たれる状況での三遠戦だった。重圧をはねのけ立ち上がりから攻勢を仕掛けた。庄司和広監督(44)は「CS以上にホームで勝ちたいという気持ちだった。選手がそれを見せた」とたたえた。

 1つも負けられない状況に変わりはない。それがさらにチームの意識を高めた。今村は「明日(29日)がある。勝ちにいくだけ」。CS進出へ新潟は上昇気流に乗った。【斎藤慎一郎】