今年も90キロ級の加藤博剛(32=千葉県警)が大会を沸かせた。

 90キロそこそこの体重ながら初戦から100キロ以上の相手を次々撃破。準決勝で優勝した原沢に敗れたものの昨年に続く3位に「まだ落ちていないということだから、よかったですね」と笑顔で話した。

 誰もが1度は出たいと憧れる大舞台出場は、今年が10回目。「5回目の出場の時(12年)に優勝しているので、今回も優勝を狙っていたんですけど」と少し悔しそうな顔をした。もっとも、はるかに重い選手を鋭い立ち技と巧みな寝技で破る姿は、大会の「華」としても知られる。

 「やっぱり全日本は特別な大会。大きい選手が相手だと楽しいし」と話す加藤の目標は「20回出場(笑)は無理でも、いけるならあと5回ぐらいは出たいですね」。多くの報道陣に囲まれながら「場内を沸かせて、大会の名物おじさんになりたい」と話した。【荻島弘一】