日本大アメリカンフットボール部の選手による悪質な反則行為で関西学院大の選手が負傷した問題で、警視庁の捜査員が日大の施設を訪れ、日大関係者と会って聞き取りをしていたことが29日、捜査関係者への取材で分かった。

 今後、本格的な捜査に向けて準備を進める。傷害容疑を視野に捜査する方針。内田正人前監督や井上奨前コーチらからも詳しく事情を聴くとみられる。

 捜査関係者によると、警視庁調布署員が28日に日大を訪れた。負傷した関学大の選手の被害届が、22日付で大阪府警から試合が行われた会場を管轄する警視庁調布署に移されていた。

 捜査は、相手を負傷させた反則行為を内田前監督や井上前コーチが指示していたかどうかが焦点で、内田前監督らと反則行為をした選手の説明は食い違っている。

 問題は6日の両校の定期戦で発生。パスを投げ終えて無防備な状態だった関学大の選手が日大の選手に背後からタックルされて、腰などに3週間のけがを負った。

 日大の選手は22日に記者会見を開き、内田前監督や井上前コーチから「相手をつぶせ」などと指示されたことを、「けがをさせろ」と解釈したと説明した。

 日大側は、指示の発言があった事実は認めたが「最初のプレーから思い切って当たれという意味」として、意図的に反則を求めたことはないと否定。内田前監督と井上前コーチも会見で、反則やけがをさせることまでは指示していなかったとの考えを述べた。