負ける気がしない試合だった。日本のゲームコントロールは素晴らしく、戦い方は見事だった。勝ったことで自信が生まれる。次につながる内容だった。

 ポゼッション(ボール保持率)ではイタリアの58%に対して日本は42%止まりだったが、これは「持たせた」結果。ハーフウエーライン付近でボールを持たせて、ミスを誘った。イタリアのボールロスト22のうち11はハンドリングエラー。5の日本の倍以上、相手はミスをしたことになる。

 カギを握ると思われたラインアウトでも、日本はうまく戦った。日本はマイボールの獲得率が93%。有効な攻撃につなげたデリバリー(配球率)も87%と健闘した。しかし、日本のプレッシャーを受けたイタリアは85%に41%と、得意のはずの武器で自滅。この差が得点差となって表れた。

 キックを有効に使って、相手を走らせた。簡単にタッチに出さないことでインプレーの時間を増やし、相手のスタミナを奪った。中盤でボールを持たせ、攻めさせた。もともとフィットネスレベルが高くないイタリアは蒸し暑さで終盤にバテた。結果、日本はラスト20分で一気に突き放せた。

 汗でボールが滑りミスをしやすい状況だったとはいえ、ボールロストの数は多かった。テストマッチとしてレベルの高い試合ではなかった。それでも、勝ったことは大きい。体力的にも厳しい6月はチャンス。次のイタリア戦、さらにジョージア戦も、しっかりと勝つことが重要になる。(サントリー監督)