関東学生アメリカンフットボール連盟は31日、都内での臨時理事会後に記者会見を開き、関西学院大の選手を悪質な反則で負傷させた問題で、18年度シーズン終了まで公式試合の出場資格停止とした日大について、出場停止を解除しないと発表した。

 関東学連幹事で、検証委員会の寺田昌弘委員は会見で、日大が提出したチーム改善報告書の中で、前日30日に日大が懲戒解雇した内田正人前監督ら関係者の影響力は完全に排除されたと書いてある件が、検証の対象であったことを示した。その上で検証の結果「完全に排除されたかどうかは、不明と言わざるを得ない」と否定的な見解を示した。

 寺田委員は会見の中で、内田前監督と井上奨前コーチが懲戒解雇を受けたことを指摘した。その上で「内田前監督、井上前コーチは30日に懲戒解雇。影響力排除のためにやれることはやったと一応、評価できる」と語った。

 一方で、30日に行われた日大アメフト部第三者委員会の会見の中で、日大の一部関係者が、悪質タックルを指示され、実行した宮川泰介選手と父にどう喝まがいの口封じを行ったと報告した点についても言及。「口封じをした関係者は、辞任したが大学から懲戒処分を受けたわけではなく、影響力は排除されたか検証委員会は判断に迷った。完全に排除されたかどうかは、不明と言わざるを得ない」と日大のチーム改善報告書の内容に疑問を呈した。

 第三者委員会の会見では、問題が発生した当時の日大の理事で、その後、辞任した井ノ口忠男氏が5月14日に、宮川泰介選手と父親と日大三軒茶屋キャンパスに呼び出し、内田正人前監督の関与がなかったかのように説明することを求め「(同意してくれれば)私が、大学はもちろん、一生面倒を見る。ただ、そうでなかったときには、日大が総力を挙げて、潰しにいく」と口封じしたことを、井ノ口氏の実名を公表し、報告していた。

 寺田委員は「より踏み込んだ内容。連携すれば、より充実した改善報告書になったと考えます」と、日大アメフト部が第三者委員会と連携してチーム改善報告書を作れば…と、その内容の乏しさに失望感をにじませた。【村上幸将】