楢崎智亜(ともあ、22=TEAM au)が予選の1本目で6秒697をマークし、自身の持つ日本記録を更新した。全体21位となって予選敗退となったが、複合の決勝を目指す選手のなかではトップクラスのタイムでスピードを終えた。他国選手から「智亜スキップ」と呼ばれる楢崎智独自の登り方と、細かい体の修正がかみ合った。

8月上旬、3手目のホールド(突起物)をとばしてより直線的に登る独自の登り方を確立。満を持して臨んだジャカルタ・アジア大会では、後半のパートで足の位置がずれてしまい失速し、悔しさが残った。千葉啓史トレーナーとともに骨盤の左右のバランスを整えたことで、後半パートの苦手も克服。スタートから勢いよく駆け上がり、ベストの登りを見せた。「他の選手もフライング(スタートの失敗)で失格になっているなかで緊張した。複合を狙う選手の中でもトップのタイムが出せて良かった」と笑みを浮かべた。