16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)覇者で昨年は女子60キロ級を制した59キロ級の川井梨紗子(23=ジャパンビバレッジ)は準決勝に進んだ。初戦の2回戦で裴星茹(中国)を6-0で下し、3回戦はベラルーシ選手にフォール勝ち。55キロ級で16年女王の向田真優(至学館大)も準決勝進出。1回戦でチェコ選手、2回戦で北朝鮮選手に快勝し、3回戦はソフィア・マットソン(スウェーデン)に6-4で競り勝った。

川井梨がよもやの敗戦を喫したジャカルタ・アジア大会から約2カ月。五輪女王のプライドを取り戻す闘いは力強さを感じさせ、準決勝へと進んだ。昨年の女子60キロ級を制した59キロ級の川井梨は「自分に負けないように闘いたい」と意気込む。2大会連続世界一に輝くことが、2年後の東京五輪へ向けた再スタートとなる。

初戦の相手は16年世界選手権60キロ級女王で20歳の裴星茹。難敵に対し、巧みな崩しから相手の片脚を奪って得点を重ねた。3回戦ではベラルーシ選手を高く持ち上げての投げで圧倒し、1分余りでフォール勝ち。風格を漂わせる強さだ。

62キロ級で出場したアジア大会は準決勝で約3年ぶりの黒星を喫した。ショックから立ち直るのに時間を要したが、今は「やるしかない」と吹っ切れている。五輪3連覇で憧れの先輩に思いをはせ「(吉田)沙保里さんみたいに器の大きな人になれていない」と語る。日本女子をけん引する気概で頂点に挑む。