リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した瀬戸大也(24)が8日、合宿を行っている東大阪市の近大で練習を公開した。4月の日本選手権に向けて「最後の追い込みをかけられる合宿。気合入れてきた」と話し「完璧にできている。自分のレベルが日に日にアップしていると練習から感じられる」と充実した笑顔を見せた。

好調を感じさせる要因が「スイムにつながるウエート(トレーニング)」という。北島康介の2大会連続金メダルを支え、今は池江璃花子も指導する佐々木秀男トレーナーに師事。「コンディションを見ながら、スイムに合ったトレーニングを組んでくれるんで、前より全然(おもりが)上がる」。梅原孝之コーチも「キックの入りが鋭くなっているから、体が浮いて楽に泳げている。下半身強化が実を結んでいるのかもしれない」と効果を認める。

今回は200メートルバタフライの強化にも取り組んでいる。来年の東京五輪を見据え、同種目のメダルも目標に掲げる。昨年12月の世界短水路選手権で1分48秒24の世界新記録をマーク。手応えと自信をつかんだ。「今年中に日本記録を出して、東京でいい色のメダルを目指したい」。自己ベストは1分54秒03。松田丈志が持つ日本記録、1分52秒97がターゲットだ。

挑戦に向け、今合宿中に最高の刺激を受けた。3大会連続で五輪に出場し、04年アテネ大会で200メートルバタフライ銀メダルの「ミスターバタフライ」、近大の山本貴司監督(40)に昼食に招かれた。「おいしかった」という近大マグロを囲みながらの水泳談義。技術面より、メンタル面での学びが多かったという。

「自分があこがれていた方と食事できるなんて、本当にうれしかった。話していて、ぶれずに突き進んできたんだなと。自分とタイプは似ていると思った」

400メートル個人メドレーではリオ五輪金のライバル萩野公介と競り合い、200メートルバタフライでもメダルを。瀬戸は広がる夢を追い求める。【実藤健一】