中地区首位の新潟アルビレックスBBが初の地区優勝を決めた。Bリーグでのクラブ初タイトル。同2位川崎ブレイブサンダースに3ゲーム差をつけ、優勝マジック2で迎えた直接対決、80-78で競り勝った。

連勝を7に伸ばすとともに栄冠を手にした。第4Q、78-78からPFラモント・ハミルトン(35)が勝ち越しシュートを決めた。チャンピオンシップ(CS)1回戦(27~29日)はA東京と対戦。アオーレ長岡で開催される。

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歓喜の瞬間が訪れた。第4Qの残り4秒、ディフェンスリバウンドを奪ったCダバンテ・ガードナー(27)が、リングに向かってボールを投げる。ほどなくタイムアップのブザー。ベンチから飛び出した選手たちが笑顔で抱き合った。

「自分たちの強みのインサイドで勝負しようと思った」。PG五十嵐圭(38)は終盤の展開を仕切った。第4Qの残り39秒、75-78からガードナーが2点シュートとファウルのフリースローを成功させて78-78と追いつく。残り13秒、PFラモント・ハミルトン(35)のシュートで80-78と逆転した。SF池田雄一(35)は第4Qに3点シュートを3本成功させるなど土壇場で集中力を発揮した。

今季3敗(1勝)を喫している川崎相手の天王山。PG五十嵐圭(38)とともにゲームメークを担ってきたPG柏木真介(37)が、前節富山戦(10日)の退場によってこの試合は出場停止。抜けた穴は当然、大きい。

庄司和広監督(44)は言う。「うちはBリーグで最もタフなチーム」。富山戦で柏木が退場後、選手に問い掛けた。「自分たちは何を目標にやっているのか」。1人の選手の欠場にかかわらずやるべきことは変わらない。達成するべきは地区優勝。そのために各自がやることを意識させた。最大7点ビハインド、第4Qも4点リードを奪われたが、慌てることはなかった。

安定感と粘り強さを発揮して川崎との中地区覇権争いを制した。内容、結果ともCSにつながる。「まだ地区の優勝。試合後、最終目標はリーグ優勝だと、みんなで話し合った」。五十嵐が言うように、その上がある。堂々の中地区王者としてリーグ制覇を争う舞台に立つ。【斎藤慎一郎】