新潟アルビレックスBB(中地区1位)の快進撃は終わりを告げた。アルバルク東京(東地区3位・ワイルドカード)に68-71の惜敗。2連敗となり、セミファイナル進出はならなかった。第4クオーター(Q)の残り4秒、同点を狙ったCダバンテ・ガードナー(27)の3点シュートが惜しくも外れ、試合終了。第1クオーター(Q)で10点リードしたが、第3Qで逆転され、ペースを握られた。それでも初のチャンピオンシップ(CS)進出、中地区初制覇と実りのあるシーズンだった。

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アリーナ中の願いが込められた1本はリングに当たってはね返った。第4Q残り4秒。スコアは68-71。ディフェンスリバウンドを取って、自らリングに向かったガードナーは丁寧に3点シュートを放った。「自分が行くしかない」。同点を狙う決意はすぐに固まった。「感触は良かった」という1本。だが、無情にもリングに嫌われた。

ガードナーは試合終了直後、両手をひざに置いてうつむいた。「自分の出せる全力を出したが、もっといいプレーが出来たはず」。今季最多4835人のホームの観客の前でエースが見せた姿が、チームの悔しさを表していた。

全員が力を出した。第1Qは27-17と大きくリードを奪った。前日27日の敗戦(72-78)で、セミファイナル進出のためには勝つしかない。そのプレッシャーを感じさせず、先手を取った。だが、昨季のリーグ王者はその勢いを続けさせてくれなかった。

PG五十嵐圭(38)は「A東京は40分間、やるべきことをやり続けていた。自分たちはそれができなかった」。第3Qの残り5分12秒で、47-48と、この試合で初めてリードされると、そこからはA東京のペースだった。相手にオフェンスリバウンドを14本奪われた。スチールは9個許した。大接戦となる中、球際のわずかな差が勝敗を分けた。

初のCS進出を果たし、中地区も初制覇。セミファイナル進出は逃したが、チームは大きく成長した。庄司和広監督(45)は「チームでやりたいことに、みんなが寄り添った。今季が新潟の礎になる」。レギュラーシーズンを45勝15敗とリーグ3位の勝率で乗り切り、ステップを上った選手をたたえた。五十嵐は言う。「来季はリーグ優勝が目標になる」。王座を狙う手応えと、その資格を手にして、新潟が戦いを終えた。【斎藤慎一郎】