世界ランク15位の佐藤瞳(21=ミキハウス、札幌大谷)が、同9位の平野美宇(19=日本生命)との日本人対決で0-4のストレート負けを喫した。

試合序盤から早い打点で鋭角的に打ち込む平野の攻撃に対応ができなかった。「パワーとタイミングの早さに圧倒された。本当に何もできない、押されっぱなしの試合になった」とうなだれた。

先週の香港オープンに続いて2大会連続で日本人に敗れた。東京五輪女子シングルスの切符は世界ランキング上位2枠。前日14日はリオデジャネイロ五輪金メダルの丁寧(中国)から大金星を挙げた佐藤だが、現状は日本勢で世界ランク5番手。「選考レースをしていく上で一番負けちゃいけない相手は日本人選手」。勝った喜びを一夜でリセットして臨んだが「十分な体勢でカットをさせてもらえなかった」。第2、3ゲームではラリーから得点を挙げ会場を沸かせたが、一度崩れたリズムを引き戻すことはできなかった。

試合後、地元ファンへの思いを聞かれ「たくさん応援に来てくれて…欲をいうなら明日まで残って1試合でも多く見てもらいたかった」と声をつまらせた。トップ選手が早い段階で道外に出ることも多い中で、佐藤は高校卒業まで道内に残る選択をした。約1200人が集まった会場からは劣勢でも大きな声援を集めていた。

次戦は7月2日開幕の韓国オープン。「(丁寧戦は)すごく自信につながった。自信を持ち続けて、良いときも悪いときも頑張りたい」。故郷で流した悔し涙を胸に、五輪切符を目指して世界との戦いに戻る。【浅水友輝】