【ウィンブルドン=吉松忠弘】世界7位の錦織圭(29=日清食品)がツアー本戦通算400勝に王手をかけた。

ウィンブルドンで自身初の地元選手との対戦となった同55位のキャメロン・ノリー(英国)に6-4、6-4、6-0の1時間48分で快勝し、4年連続7度目の3回戦に進んだ。3回戦では同71位のスティーブ・ジョンソン(米国)と対戦する。

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錦織は強かった。マッチポイントで、相手のリターンがネットにかかると、左手で何度もガッツポーズを繰り出した。16年2回戦以来の聖地での2度目の勝利。それも自身初のストレート勝ち。自信にあふれた表情で観客の声援に応えた。

錦織は「最後のセットはパーフェクトなゲームができた。サーブも良かったし、リターンも徐々に冴えてきていた。アグレッシブなプレーも交ぜて、いいプレーができた」と喜んだ。

相手は55位とはいえ、嫌らしい左利き。バックは球が弾まない無回転球を持ち味とし、芝では特に弾まない。第1セットの第6ゲームで、最初にサービスゲームを落としたのは錦織だった。だが、すぐにダブルフォールト2本につけ込みブレークバック。その後は勝利に向かってひた走った。

4大大会開催国で、地元選手を相手に錦織は過去13勝2敗と無類の強さを誇る。2敗は全仏でガスケ、ツォンガのフランス選手に敗れただけ。ウィンブルドンで初めて地元選手と対戦したが、その強さはテニスの聖地でも変わらなかった。

これでツアー本戦通算399勝目。初勝利を挙げたのは07年7月のインディアナポリス選手権。約12年で400勝に残り1勝だ。次のジョンソン戦に向け「しばらく彼とはやってないですけど、しっかり準備して戦いたい」と意気込んだ。