【東莞(中国)=松熊洋介】日本はモンテネグロに65-80で敗れ、1次リーグから5連敗で全日程を終えた。初勝利へ主将として強い覚悟で臨んだ渡辺雄太(24=グリズリーズ)はダンクシュート2本を含む34得点と奮闘。しかしチームは課題とする3点シュートを1本も決められずに完敗。13年ぶりに出場したW杯は初の0勝に終わり、東京五輪に向けて課題を残した。

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勝てなかったが、主将として100%の力を出し切った。渡辺は2点差に追い上げた第3Q残り6分6秒、右サイドからドリブルで持ち込むとディフェンスをかき分けながら進み、豪快なダンクシュート。同点に追い付くと両手で拳を握り、八村がやっていたような雄たけびをあげ、チームを鼓舞した。「もともと声を上げるキャラではない」と言うが、珍しく吠えた。

7日のニュージーランド戦の敗戦後、自分を見失いかけた。ミスが多く、最後は相手に遊ばれた。「あんなプレーは許されない。代表としての資格がない」と落ち込んだ。ダブル主将を務めていた篠山が離脱。「自分が頑張らなきゃ」という思いが空回りした。8日に選手だけでミーティングを行い「背中で引っ張る」と決意。序盤から得点を重ね、両軍トップの34得点をマークした。

それでもチームを勝たせることはできず、自身も最終戦以外は納得のいくプレーができなかった。「バスケ人生で初めてプレッシャーに負けた。今後NBAでもあると思う。どうやって打ち勝つか」。10カ月後に迫る東京五輪に向け「劣っていた自分の力を磨いて準備したい」と意気込んだ。