レスリングの世界選手権(カザフスタン)は20日に第7日を迎え、日本からは前日に敗れて敗者復活戦に回った男女3人に3位決定戦勝利での東京オリンピック(五輪)代表内定がかかる。

女子62キロ級の川井友香子(22=至学館大)は3回戦でキルギス選手に敗れ、「情けない」と泣き崩れた。先に東京五輪切符を手にした57キロ級の姉梨紗子との姉妹での五輪出場への思いは強く、気持ちを立て直すのに必死だった。その後に負けた相手の決勝進出が決まり、首の皮一枚で敗者復活の道が残された。朗報を聞いた後の取材時にも、うっすら涙を浮かべる姿があり、メンタル面で奮い立てるのかが、技術よりも鍵を握りそうだ。

68キロ級の土性沙羅(24=東新住建)は準々決勝で米国選手に完敗した。「こんなものかなという感じ」と淡々と話し、必要以上の敗戦のショックは引きずらない様子が印象的だった。国際大会としては左肩のけがからの復帰戦で、患部にはテーピングがされていないのは久々。状態は悪くなく、試合で出た反省点を見つめ直し、得意のタックルに活路を見いだす。

男子フリースタイル65キロ級で昨年日本勢最年少優勝を果たした乙黒拓斗(20=山梨学院大)は3回戦で敗れ、敗者復活戦に回った。ロシア人選手に伸びるタックルが不発。足をとらえることがなかなかできず、焦れて強引に場外に押し出そうとしたところを逆に失点したことで「流れが変わった」と反省した。直後は取材に応じずに練習場へと直行したが、敗者復活に回ることが決まると、「切り替える」と静かに再挑戦に燃えた。

今日からトーナメントが開始される五輪階級では男子フリー74キロ級に奥井真生(24=自衛隊)、125キロ級に荒木田進謙(31=athleticcampLION)が登場する。