仙台89ERSが、ホーム開幕戦で今季初勝利を挙げた。開幕2連勝と波に乗る昨季東地区3位の茨城ロボッツに、80-65で快勝。開幕節のアウェー群馬戦で2連敗して迎えた「負けられない戦い」を制した。

頼もしい2人のベテランが躍動した。3季ぶりに故郷仙台に復帰したSG片岡大晴(33)が、PFジェロウム・ティルマン(32)と並ぶチームトップの23得点でMVP。「何としてもとりたかった1戦。みんなでホームを守れてすごいうれしい」。3000人の大観衆を前にしての勝利に「昔とは全然違う雰囲気。ワクワクするような絶対勝ちたいと思う熱いエネルギーを送ってくれている。ブースターのみなさんも成長されていると感じた」と声援を力に変えた。そして「本当に帰ってきてよかった」と感慨を口にした。

8月下旬の練習試合で脳振とうを起こし、戦列を離れていたPG月野雅人主将(30)も復帰。21分の出場で4アシストと不安を振り払った。「バスケットができるのが本当にうれしかった。今できる最大限のことをやった」。片岡も「雅人(月野)がいないと始まらないチーム」と存在感の大きさを認めた。

茨城のアンソニー・ガーベロットHC(50)は「(仙台は)開幕3連敗は絶対に避けたかったはず。生きるか死ぬかの戦いで、エネルギーと強さはすばらしかった」と脱帽した。桶谷大HC(41)は「今日の勝利で自分たちがやっていることが間違いではないと思ってくれたと思う」と初勝利をきっかけに勢いに乗る意気込みだ。【野上伸悟】