東京オリンピック(五輪)のボクシング会場で「支度部屋問題」が浮上した。10月31日、最終日を迎えたテスト大会が両国国技館で行われ、選手たちから控室の狭さに苦言が出た。

相撲の聖地を使用し、ウオームアップエリアを東西の支度部屋に設定したが、高さ約50センチの上がり座敷があり、実際に動けるスペースが限られる。リオ五輪代表の成松大介も「広さが足りない」と不安視した。

世界選手権では複数箇所に練習場、リングが設けられる大会もある。このままではリングはおろか、器具も十分に置けない。主管する国際オリンピック委員会(IOC)特殊作業部会の渡辺守成座長も現場を見て、緊急に対応策を練る見込みだ。会場外の駐車場にプレハブ小屋を仮設するなど、善後策が求められる。

今大会では判定透明化に向け導入予定の新システムも披露された。審判が有効打と判断した瞬間にボタンを押し、別の審判が監視するモニターに表示され合計数が分かる。ラウンドごとに優劣をつける10点法の結果には直結しないが、リオで取りざたされた不正判定を撲滅するため、審判への抑止力となりそうだ。