バスケットボールBリーグ・オールスター2020(20年1月18日、札幌・北海きたえーる)のファン投票中間結果が11日、発表され、レバンガ北海道の折茂武彦(49)がB・BLACKチームのポイントガード・シューティングガード枠で1万8828票を獲得し1位となった。

最終結果(25日締め切り)で2位以内に入れば、先発出場が決まる。今季限りで引退を表明している大ベテランが、最後の舞台で日本リーグ時代から合わせて9回目のMVPを狙う。

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チームで社長も兼務する折茂はこの日、東京都内で行われた発表会見に登場し「選手としてこの場に立たせてもらっている。日本代表の比江島(宇都宮)田中(A東京)を差し置いて選ばれているのは、引退の2文字が効いてるのかな」と恥ずかしそうに語った。

今季はわずか3試合、20分6秒の出場で3得点。折茂には「自分はふさわしくない。みんな出たいと思うし、自分だけのオールスターではない」という思いがある。ただ「ファン投票ならプレーを見たいという人もいるので、出る必要がある。そうでなければ出ない」と、あくまで推薦ではなく「自力」での出場のみコートに立つ覚悟だ。

出場すればMVPも視野に入れる。「今の選手はみんなガツガツ来ると思う」と言いながらも、「27年間続けてきたのは得点を取ること。選ばれたら選手としては狙いにいく」と貪欲な姿勢を見せた。獲得の秘策を聞かれると「基本的にはパスが回ってくる。圧力をかけているのではなく、自分が取ったら後でいい思いができる、というのがあるのでは」と笑顔を見せた。実は試合後の食事に行くと、賞金があってもマイナスで終わることが多いという。「夜までオールスター。北海道はお店もいっぱい知っているので」。獲得した際には他チームの選手にも還元して、地元の食の魅力を知ってもらうつもりだ。

今年1月には前人未到の通算1万得点を達成し、オールスターMVPも8回獲得している。現役最後のシーズンに地元でのオールスターというチャンスが巡ってきた。「Bリーグを目指す子どもたちもいる。北海道にバスケットが根付いていくいい機会。遊びじゃなく真剣勝負を見たい人も多いと思う」。出場すれば得意とする3点シュートコンテストにも意欲を見せる。折茂はレジェンドという肩書ではなく、魅力あるプレーでMVPを取りに行く。【松熊洋介】