アメリカンフットボール全日本大学選手権決勝甲子園ボウルが15日に甲子園球場で行われる。

早大は2年連続6度目の出場で、関学大とは3度目の対戦で初優勝がかかる。聖地に再び帰ってきた攻守のキーマンが2人いる。早実野球部出身のDB渡辺大地(4年)とQB吉村優(3年)。夏の甲子園大会では敗退したが、ボールを変えて異種競技で今度こそ日本一狙う。

渡辺は甲子園ボウルには昨年初出場も、キッキングで数プレーだけだった。今年は5試合に先発出場し、2インターセプトをマークしている。東日本代表校決定戦の東北大戦では見事にパントブロックも決め、リターンTDをお膳立てした。控えではなく主力として、学生最後の年に甲子園でまた暴れたい。

早実3年時は9番中堅手で先発出場していた。夏の甲子園は準決勝敗退も、2回戦で9回2死満塁で決勝打を放った。日本ハム清宮は調布シニア時代からの後輩。副将の1人として、清宮の緩慢な走塁を一喝した鬼軍曹のお目付け役だった。

「今年は思い入れが全然違う。ようやく先発になり、結果も出してきた。とにかく日本一になりたい」と目を輝かす。清宮とはいまでも連絡を取り合う仲。オフになったら食事の約束をしている。「プロにお祝いのごちそうをしてもらう」と笑った。

QBは柴崎という絶対的エースがいるが、吉村は今季ピンポイント起用されてきた。リーグ戦では12回のランで34ヤード止まりも、3試合連続TDをマークした。東北大戦では前半3点差の苦戦から自己最長の59ヤードラン。続くプレーで後半最初のTDを演出した。

早実中2年からエースで、高2では夏の甲子園もベンチ入りした。登板機会はなく、3年の夏は西東京大会準々決勝で敗れた。野球で果たせなかった日本一を早大で目指そうと、肩を生かせるとQBになった。

ピンポイントでの起用に当初は戸惑った。「リリーフが多かったので、その気持ちを生かして慣れてきた」と話す。吉村の足を生かすための起用法だが「出番があれば貢献したい。1度はTDパスを決めたい」。甲子園で初めて投げて勝ち、日本一をつかみ取りたい。