アメリカンフットボールで2度目の日本一を狙う関学大・鳥内秀晃監督(61)が、最後の先制口撃を仕掛けた。日本選手権ライスボウルの記者発表が17日に都内であり、両チームが抱負を披露した。来年1月3日に東京ドームで、鳥内監督は28年目のラストゲームとなる。V4がかかる富士通と2年連続3度目の対戦。18年ぶり優勝へ口撃が止まらなかった。

「ライスボウルで負けると、1年間暗い気持ちになる。今度負けると最後。一生暗くなる」とぼやきで始まった。富士通の山本ヘッドコーチ(HC=45)は就任1年目。「こっちは最後。まだ先があるから、負けくれへんか」。横目で山本HCをにらむと「せこいこともしはるみたいで」と畳み掛けた。

前夜に社会人王者へ快足を発揮した、RBグラント対策が大きな課題になる。「止めるの不可能。出ん方がいい。頼みますわ」と山本HCをまたにらんだ。山本HCは敵将の印象を聞かれると「何度も話はしてますが…。難しい」。顔を真っ赤に言葉に詰まり、初の集中砲火を浴びて圧倒されていた。

矛先は生中継するNHKにも向けられた。壇上から実況するアナウンサーに逆質問。「そろそろBS中継はやめはったらいい。いつ地上波になるの?」。アナウンサーが「頑張りますとしか言えません」と答えると「それは答えちゃう。いつから?」としつこく迫った。

まさに独演会となったが、社会人が10連勝中と劣勢は否めない。「学生とレベルは違い、誰でなくオールスター。守備がしんどいのは分かっている。なんとか食らいついていく」。関学大は最多13度目の出場で、8連敗を阻止の番狂わせを起こせるか。