フィギュアスケート男子で全日本選手権2位となった羽生結弦(25=ANA)がフリーから一夜明けた23日、東京・国立代々木競技場で行われた「メダリスト・オン・アイス」に出演した。前夜に4大陸選手権(20年2月、ソウル)と世界選手権(同3月、カナダ・モントリオール)出場が決定。4大陸選手権でのクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)投入も視野に入れ、16-17年以来となるシーズン7試合出場で3年ぶり世界王者へ返り咲く。

羽生の再出発は、五輪2連覇を決めた名プログラムだった。18年平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)のフリーで演じた「SEIMEI」。全身を使った表現に3回転ループなどでアクセントをつけ、総立ちの観衆から大きな拍手を受けた。

前夜は宇野昌磨に及ばず、14年NHK杯で村上大介に優勝を許して以来、5年ぶりに日本人に上回られた。悔しさをかみしめ、宇野をたたえた男は「4大陸は1つの僕の壁。まずは今、負けてしまった昌磨という壁がある」と3年ぶりの4大陸選手権出場を選んだ。現時点でシーズン7試合となり「フリーはこの構成でやるつもりはない。(4回転)アクセルを跳べるところまできたんだったら、アクセルの後をどうするか」。宇野、そして世界選手権2連覇中のチェンとの競演へ、ここから立ち上がる。