全国高校ラグビー大会準決勝は5日に大阪・花園ラグビー場で行われる。10年度の90回大会以来の優勝を狙う桐蔭学園(神奈川)は、前回大会でも準決勝で東福岡と対戦。その時にトライを決めたWTB西川賢哉(3年)は、ワールドカップ(W杯)でも活躍したあこがれのOB松島幸太朗(26=サントリー)のように快足を飛ばし、勝利に貢献することを誓った。

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桐蔭学園は神戸市内で約2時間の練習を行い、ディフェンスやサインプレーを確認した。西川は「強いランでトライを狙っていく。ロングパスがうまいのでディフェンスにも注意したい」と意気込みを語った。

昨年2月に右足首靱帯(じんたい)を損傷。4月の全国選抜大会には出場できなかったが、6月の関東大会で復帰し、調子を上げてきた。目標とする日本代表松島のW杯でのトライに刺激を受け「プレッシャーの中、大舞台で決めるのはすごい」と常にイメージ。だが今大会は2トライを挙げているものの、前回大会準決勝の東福岡戦で見せたような、持ち味の快足を生かしたサイドを駆け上がるトライはまだ出ていない。

唯一残った関東勢としても負けるわけにはいかない。昨年の東福岡戦では、前の試合で敗れた流通経大柏(千葉)の選手たちが、応援歌「流経の心」を「桐蔭の心」と替えて歌い、送り出してくれた。同じ関東勢からの突然の熱いエールに選手たちは奮い立ち、勝利につなげた。今大会は桐蔭学園もその歌を応援に取り入れている。その流通経大柏は1日に東福岡に敗戦。同校に友人もいる西川は「負けた選手の分までしっかり戦いたい」と仲間の思いも胸に勝利を誓った。【松熊洋介】

◆西川賢哉(にしかわ・けんや) 2001年(平13)6月3日生まれ、京都市出身。小学生時にアウル洛南JRFC所属。藤森中ラグビー部では府選抜として全国大会出場。桐蔭学園1年から花園でプレー。175センチ、77キロ。